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ベビー・ウォッチング・《スマートホン》

《スマートホン》
  ○○駅のホームで△△に向かう電車を待っている時のことです。電車は15分遅れというアナウンスが入りました。乗車口に並んでいる乗客の中に、母子の姿がありました。お母さんは乳飲み子を抱っこ紐で吊し、もう一人、1歳過ぎの男児と手をつないでいます、しかしよく見ると、右手で男児の手首を捕まえていることが分かりました。左手にスマートホンを持ち、没頭しています。傍らには畳んだベビーカーも立てかけてありました。男児はおとなしく立っていましたが、別のホームに電車が来ると、目ざとく見つけて走り寄ろうとします。お母さんは手に力を入れて制止しました。「あぶないよ、電車にひかれてしまうから、手をつないでいましょうね」、でも、男児は聞き入れません。電車を指さして近づこうとすることが何度かありました。お母さんは相変わらずスマートホンを見ています。一度だけ、男児に従うことがありました。男児がホームの上に直書きされている文字を見に行こうとした時です。男児はしゃがんで文字を指さし、何やら声を出しました。その時のはずみでベビーカーが倒れ、近くの人が立て直しました。お母さんは一言「ありがとう」と言い、またスマートホンに目をやります。
 やがて「まもなく電車がまいります。今度来る電車は大変混雑しております。次の電車が続いておりますのでそちらもご利用下さい」というアナウンスが入りました。電車が到着し、ホームの乗客は乗車口に殺到します。私は当然、次の電車を待つことにしましたが、その母子三人は、「迷うことなく」満員電車の中に吸い込まれ、姿が見えなくなりました。
この間およそ15分、お母さんと乳飲み子、そして男児の「会話」はほとんどありませんでした。乳飲み子は一度ぐずって泣き出しそうになりましたが、お母さんに身体を揺すられると、すぐに眠ってしまいました。お母さんはスマートホン、お兄ちゃんは電車、そしてボクは?、「ボクは眠るしかないんだよ」という声が聞こえてきて、私自身も泣きたくなりました。皆さんはどう思いますか?
(2016.5.3)




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ベビー・ウォッチング・《泣き声》

《泣き声》
 武蔵野線の先頭車両に乗ると、運転席の後ろに二人の若いお母さんが立っていました。二人とも一歳前後の赤ちゃんを抱っこしています。赤ちゃんはまだ話せませんが、指をさしたり、手を差し出したりして何やら声を出しています。お母さんたちの会話もはずんでいました。やがて、電車が新松戸駅に近づきました。「ほんとに楽しかった、今度お会いできるのは二週間後ね。それまでがんばりましょうね」「ありがとう、お元気で、さようなら」。電車がホームに到着すると、一人のお母さんが降りました。その時です。電車に残っている方の赤ちゃんが、わっと泣き出しました。乗客一同はは「何事か?」と注目します。お母さんは赤ちゃんをなだめますが、泣き声は大きくなるばかり・・・、ホームに降り立ったお母さんも困惑した様子で、その場にとどまっています。「バイバイ」と手を振っています。私はその情景を心地よく眺めました。「ドンマイ、ドンマイ」(心配御無用)、それでいいのだ!」と心の中で叫びました。赤ちゃんは、別れが辛くて泣いているのです。心には「さびしい」という感情が育っています。今は、周囲の迷惑を気にすることはないのです。ともすれば「育て方が悪い」「しつけができていない」と批判されがちな世の中ですが、子どもには二、三歳になるまで「大声で泣く権利」があります。早くから「おとなしい」(大人らしい)振る舞いを要求する社会は、どこか活気を失っています。 そう言えば、そのお母さんたちは「抱っこ紐」も「ベビーカー」も使わずに、しっかりとわが子を抱きしめていました。赤ちゃんの方もぴったりとお母さんに抱きついていました。お互いに「ぬくもり」を感じ合い、心地よいスキンシップの感触を確かめ合いながら、これからも益々豊かな心情を育てていくことでしょう。やがて電車は走り出し、赤ちゃんの泣き声は聞こえなくなりました。
(2016.5.4)




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ベビー・ウォッチング・《若いお父さん》

《若いお父さん》
 二十歳代と思われるお父さんが、まだ一歳前の赤ちゃんを抱っこしています。傍らにはベビーカーを持ったお母さんもいます。これから遊園地にでも行くのでしょう、駅のホームで電車を待っていました。お父さんは、終始ニコニコして赤ちゃんに頬ずりをしています。大事な宝物でも扱うようにに、そのうれしさがこちらにも伝わってきます。お母さんもその様子をニコニコしながら眺めています。赤ちゃんがお母さんの方を向いて、手を伸ばしました。今度はお母さんが抱っこしました。初めは抱いて赤ちゃんを揺らしていましたが、次に赤ちゃんの頭を地面に近づくまで「逆さづり」状態にしたのです。私はびっくりしました。でも赤ちゃんは平気です。その感覚を楽しむように微笑んでいるのです。それを見たお父さんも、赤ちゃんを受け取って「逆さづり」をしました。みんなニコニコしています。やがて電車がやって来ました。お父さんは座席に座って、赤ちゃんに窓の景色を見せました。でもまだ赤ちゃんは外の景色を楽しむ段階ではなさそうだ、お父さんはそう思うとすぐに止め、今度は自分とお母さんとの間に「ひとり座り」させました。赤ちゃんは車内のあちこちに目をやります。そのつぶらな目は光り輝いているように感じました。降車駅が近づきました。お母さんがベビーカーを持って降りようとします。その時です。お父さんも赤ちゃんを置き去りにして降りようとするのです。一瞬、赤ちゃんは座席に取り残されました。またまた私はびっくりしました。お父さんは「バイバイ」と手を振りましたが、赤ちゃんはまだ事情がよく飲み込めない様子、次の瞬間には再びお父さんの腕の中に抱きしめられていました。
 このかかわり方には『感覚統合訓練』のイロハ(抱きしめ、頬ずり、逆さづり)が含まれています。それをいとも自然に楽しんでいるお父さん、お母さん、そして赤ちゃんに、私は「また、また、また」びっくりし、深い感銘を受けたのです。
(2016.5.5)




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三人のお母さん

 ある土曜日、電車の中の風景。ベビーカーから弾けるように抜けだして、辺りを歩き回ろうとする一歳の女児、「危ないからダメ」と抱き止めようとするお母さんの手を振りほどいて、逃げ回る。とうとう捕まってベビーカーに収容されたが、今度は大声をあげて泣き叫ぶ。もう一人のお母さんがその様子を見て、女児をあやし始めた。「グーチョキパーで何作ろう、右手はグーで、左手はチョキで・・・」、女児はたちまち笑い出してお母さんのマネをする。その傍らではやはりベビーカーに乗った二歳の男児がニコニコと、指四本を口に入れて眺めている。お母さん同士は初対面かもしれない。女児のお母さんも一緒に手遊びに参加したが、やがて降車駅が来た。「じゃあ、またね。バイバイ」と言ってホームに降り立った。男児のお母さんは、女児に投げキッスをして別れを告げる。男児もしゃぶっていた指を抜き出して投げキッス・・・。女児もお母さんに抱かれて手を振って
いる。入れ替わりに成人女性と腕を組んだお母さんが「はい、乗りますよ」と言いながら乗車、男児のお母さんの隣に座った。男児のお母さんは、女児たちを見送ると、男児に向き直りしゃぶっている指をハンカチで拭き始めた。男児はニコニコと拭いて貰いながら、他方の指を口に入れる。おかあさんがその指を拭くと、また他方の指を口に入れる。いたちごっこできりがない。その様子を見ていた成人女性のお母さんが微笑みながら「ダメって言われると、なおさらやりたくなるのよねエー」と男児に話しかけた。そのとたん、男児の指しゃぶりはピタリと止まった。男児のお母さんも頬笑んで、そのお母さんに返礼する。そうした「やりとり」とはかかわりなく、成人女性は独り微笑みをうかべている。その微笑みは神々しいまでに美しかった。三人のお母さんの、三者三様の「母性」が「親子の絆」の原点であることは間違いない。(2017.4.23)




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